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湘南ロードライン

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バス運転手が気絶した時の対処方法

関越道事故を受け、私の友人からタイトルのような質問がありましたので、回答します。
はじめに、ここではマニュアル車の運転知識、シフト操作やエンジンブレーキを理解している事を前提に、説明します。MT免許をお持ちの方でないと理解が難しいかもしれませんが、ご了承ください。

バスの止め方ですが、残念ながら、緊急停止ボタンなどの類いはありません。基本的には乗用車と同じで、エンジンブレーキ、フットブレーキ、サイドブレーキで止めるしかありませんが、大型車にはエンジンブレーキを補助するものとして排気ブレーキがあり、それを最大限に使うことで速度を落とすことができます。


◆排気ブレーキとフットブレーキ

排気ブレーキ操作方法
〇で囲ってあるレバーが排気ブレーキで、Ⓑと表示してあるのがフットブレーキのペダルです。たとえ時速100km/h以上出ていても、基本的には乗用車と同様にフットブレーキだけで止まれるので、排気ブレーキに拘る必要はありませんが、運転手が気絶した状態でその上からフットブレーキを操作するのは無理なので、そういう場合に排気ブレーキのレバーなら、客席側からでも簡単に操作できます。

排気ブレーキというのは、エンジンブレーキをより強力にするもので、アクセルを離したとき、エンジンの回転が落ちようとする力をより強くするものです。当然、ギアがニュートラルだったり、アクセルやクラッチを踏んだ状態など、エンジンブレーキが使えない状態では排気ブレーキも使えません。
操作方法は、黄色で囲んだレバーで操作します。日野、日産、いすゞは青い矢印のようにレバーを手前に引きます。普通車でいうところのワイパーONと同じ操作です。三菱車のみレバーを動かす方向が逆で、赤い矢印のようにレバーを前方へ押してください。これで排気ブレーキがかかり、少しづつ減速します。車種によっては2段式、3段式になっている場合があるので、一杯までレバーを引いて(三菱車は押して)ください。
厄介なのは三菱車に限ってレバーの操作が逆向きで、近年は三菱と日産の相互OEMもあり、日産も含めて操作がごちゃごちゃです。バスだけでなく乗用車も含めて、三菱の車はどういうわけが他メーカー車と操作が異なることがあり、ユーザーにとっては使いにくくて仕方ないですが、いずれにしても排気ブレーキを正しく操作するには、乗ってるバスの製造元メーカーをあらかじめ知っておくしかありません。しかし、それも難しいと思うので、バスを見ただけで車種がわからない方は、無理に排気ブレーキに拘らず、フットブレーキを試みるか、下記で説明するサイドブレーキを探したほうがいいと思います。
なお、2トントラックとそれをベースにしたマイクロバスは、レバーを上(天井方向)へ上げて排気ブレーキをONにするようになっていますが、4トン(中型)車~大型車は2トン車と操作方法が異なります。2トンやマイクロしか乗ったことない方は、間違えないよう注意してください。
先述の通り、排気ブレーキはエンジンブレーキの強化版に過ぎないので、排気ブレーキだけで完全に停止する事はできません。
入ってるギアにもよりますが、仮に高速道路をトップギアで走っていた場合は、排気ブレーキを入れても40km/h程度までしか減速しません。最後にはフットブレーキを踏むしかないのです。
フットブレーキの位置は乗用車と同じで、写真のⒷと表示してあるペダルです。



◆ハザードランプ

ハザード操作方法
ハザードランプを点滅する方法です。
2017年頃から、乗用車と同じ三角マークのボタン式に移行していますが、それ以前の年式については、大型車独特の操作方法になっています。
赤い矢印のように、上(天井方向)へレバーを上げてハザードをON OFFできます。普通車でいうところのウォッシャー噴射と同じ操作です。ちなみに排気ブレーキと同じレバーです。



◆サイドブレーキ

メルファ7 サイドブレーキ

DSCN1318.jpg
上写真は乗用車と同じワイヤー式
下写真は大型車独特のホイールパーク式
サイドブレーキは、2000年以前の古いバスは乗用車と同じワイヤー式ですが、2000年以降はホイールパーク式に切り替わり、現在走っている大半のバスはホイールパーク式です。、乗用車にも使われるワイヤー式は、レバーを引く強さによってブレーキ力が変わりますが、ホイールパーク式はワンタッチ操作で確実にパーキングブレーキがかかるので、ワイヤー式のように坂道で引きが甘くて暴走したとか、ワイヤーが切れて暴走したとかいう問題点を解消したものです。

で、サイドブレーキは基本的に走行中に使うものではありませんが、緊急時に使用するのは止むを得ません。乾いた路面であれば、普通にサイドブレーキを操作して止まれます。
ただし、雪道や濡れた路面であまり強くかけると、後輪がロックしてスリップして横転する恐れがありますので、ワイヤー式であればレバー先端のボタンんを押しながら強さを調整したほうがいいです。ホイールパーク式の場合も、一気に操作せず少しずつレバーを動かしたほうがいいかもしれません。
ホイールパークブレーキの操作方法は、下の動画の0:50~の通りです。




最後に、この記事の解説は国内製のバスでしか通用しません。海外製(メルセデスベンツ、ネオプラン、ボルボ等)のバスや乗用車は、左レバーでウインカーやライトを操作して、右レバーでワイパーを操作するようになっています。つまり排気ブレーキが左レバーでない事は確かです。では排気ブレーキレバーはどこ?と聞かれても私にはわかりません。誰かコメントにて教えてください。w
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| バスの知識 | 22:13 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

感謝!

このようなページを捜してました!
ついおととい、
「2016年9月13日午後6時25分ごろ、東京湾アクアライン金田料金所の手前約1キロ付近で、羽田空港発木更津駅行きの高速バスが中央分離帯や軽乗用車に接触し、料金所を通過して停止した。
バスの男性運転手は脳疾患で具合が悪くなり、正常なハンドル操作ができない状態だったとみられ、乗客の男性がブレーキ操作などをして停止させた。
  中略
「前の方の座席に大型免許を持っている人がいてバスを止めたらしい。(乗り換えてきた乗客は)『海に落ちるんじゃないかと思った。死ぬかと思った』と興奮した状態で言っていた」と話した。」 (以上『千葉日報オンライン』から転載)
・・・という事件がありました。
この路線はよく利用するので、実際に遭遇したらどうしようと思って検索してたどりつきました。

メーカーによって違いがあるなんて!
こういうことは統一して欲しいですよね。
これから一番前の席に乗ります。
でも運転手が乗ってるのに、フットブレーキは難しいですよね。

| たろ | 2016/09/16 16:01 | URL | >> EDIT

Re: 感謝!

たろさん

運転手が座った状態で外側からフットブレーキを操作できるか、機会があればレンタカーのバスで検証してみたいと思います。
高速バス予約で座席が選べる方式だと、大抵一番前は最後まで残ってますよね。そこを好んで予約するのは、私のようなオタクか物好きだと思いますが、大半の人は一番後ろか真ん中あたりを予約するので、事故に対する乗客の警戒心が伺えます。

| 中野 螢一 | 2016/09/17 14:25 | URL |

こんにちは、実際そんなバスに乗り合わせてしまうことも、無いとはいいきれませんよね(><)
うーん、宝くじの確立と較べてどうなんだろ(^^;)

排気ブレーキはずっとレバーを引き(もしくは押し)続けるのでしょうか?それとも断続??

高速バスは料金箱もあるし、気絶した運転手さんの膝の上に乗り、ハンドルと腿(運転手さんの)の間から足を入れて、ブレーキ操作ができるのだろうか??

それができない場合、排気ブレーキで減速させてからできることは??
・側壁にこすりつける??
・サイドブレーキを引く??

どちらも恐ろしいですよね。
その時、シートベルトはできないのですから(><)


9/13の事故はほんとに良く止めた!!って感じですね!
Goodジョブもいいとこです!
大惨事一歩手前でしたね!

| たろ | 2016/09/18 13:37 | URL |

昨日も運転手さんが脳梗塞で気を失ったバスを止めた方によると
フットブレーキは気絶している運転手さんの足を手で押して、踏み込ませたそうです。

| 名前なし | 2018/06/04 22:34 | URL |

Re: タイトルなし

名前なしさん

今回の事故も乗務員は12連勤だったそうですね。しかし、合法なんですね。
勤務時間も、退勤から翌出勤の間隔が最短8時間と、現行の法律では乗務員の休息時間は満足にとれないままなので、安全という観点からも長時間労働を規制して欲しいですね。

| 中野 螢一 | 2018/06/06 11:26 | URL |















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