湘南ロードライン

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タクシー運転手に対するチップ

海外では慣習として、宿泊や飲食店、タクシーやバスの利用で、規定の料金とは別に心づけとして現金を支払う暗黙のルールがあります。
チップの金額は利用者の任意ですが、正規料金の15%とか20%とか、国や地域にもよりますが大体の相場は決まっているようです。こうした国では従業員の収入源にチップが前提として含まれているため、正規料金はかなり安く設定してあり、そのぶん利用者が自らの気持ちとして、サービス満足度に応じてチップを支払うという暗黙のルールになっています。

現代の日本ではこういう文化はありませんが、団体旅行の旅館や観光バスの利用においては、従業員や運転士に対してチップのようなものを支払う風習が残っているようです。ただ、海外のチップと違って現金をそのまま渡すのは失礼とされ、紙や祝儀袋で包んで渡すのが礼儀とされています。

で、日本のタクシーにおいても、お客様によってはチップを頂けるケースが時々あったり、運転手に対して「ありがとうございました」と仰るお客様もおります。
私自身、この仕事に転職してから初めて知ったことなので驚きましたが、「客のほうが偉いんだ!」みたいな風潮があるこの日本においても、中には運転手に対して心遣いをしてくれるお客様もいるんだという事を知ったし、私自身もそういう所は見習おうと思いました。
というか、私の身内は店員に対して「客だ!」みたいな態度をとる人が多く、タクシー運転手については軽蔑の対象と見なすケースもあり、私自身も身内の影響とネットの影響もあってそれに染まってましたが、日本人そういう人ばかりじゃないという事を今さらながら知りました。

チップを頂けるケースとしては、ワンメーター(初乗り730円)の利用で1000円札を出し、お釣り(270円)は(運転手が受け取って)いいよという方や、1090円に対して1100円出してお釣りはいいよという方もおりますが、ごく稀に年配の方の中には、料金1990円に対して2200円を出して、「運転手さんへのお賽銭だから受け取ってね」という方もおりました。(運転手は神様仏様じゃないという突っ込みはナシw)
こうしたチップは、鎌倉で営業している私の場合は、概ね一日(18時間勤務)のチップ総額は平均して500円くらいかなという感覚ですが、日によって大きく変動するので、チップが全くない日があれば、一日のチップ合計が2000円を超えた日もありました。

ただ、チップが常識の海外とは違い、日本のタクシー乗務員の人件費は正規料金に含まれているので、日本においてはチップを払わなくても問題はありませんし、実際大半のお客様は払わないです。
むしろコンビニやスーパーの店員、ファミレスの従業員、路線バスの運転士、ビジネスホテルの従業員など、大半の接客業でチップは皆無だと思われますが、その中でタクシーだけが少額とはいえチップを頂いてる気がして申し訳ないという気持ちもあります。

日本のタクシーの場合、他の接客業とは異なり業界の独特な風習があり、例えば、
お釣りは会社から支給されないので運転手が自分で立て替える。
お客様とトラブルが発生して正規料金を頂けなかったり、踏み倒されたり乗り逃げされた場合でも運転手が自腹で会社に納金しなければいけない。
売上げで給料が決まるため、締め日にならないとその月の手取りがわからない。

こうした特殊な事情が世間にも知られているため、なんというか、お布施みたいな感じでチップを頂けるんだと思います。
私としては、チップは非常に有難いですが、一部のプライドが高い乗務員の中には、他のチップが皆無な接客業と比べて、この業界が世間から哀れまれている事を嘆く人もいたりします。

ちなみに、運転手が新人で地理や建物を覚えきれていないケースですが、海外ではチップを減額する代わりに乗客が道案内したりしますが、日本では正規料金が決まっているのでそれができず、お客様不満の原因になっています。
ウチの会社でも、クレーム内容の第一位は「地理がわからない新人」で、他の接客態度が悪いとか運転が荒い等のクレーム件数よりも多いのだそうです。

私はトラブルが嫌なので、稼げる東京や横浜を選ばず、あえて地元の鎌倉を選び、入る前に地図に書いてある事はなるべく覚えるようにしました。
実際には、「教えて頂けますか?」と丁寧にお願いすれば、大半のお客様は快く、あるいは仕方なく応じてくれますが、たまに一筋縄ではいかないお客様もいるので、時には正規料金を減額して、例えば1540円を1000円にして、残り540円は自腹にした事もありました。
また、新人ではない現在でも、慣れない地域に行くとルートを誤って遠回りしてしまう事があり、その場合もお客様に事情を説明して、自腹による値引きをする事となります。厳密には自腹の立て替えても含めて値引きは違反ですが、実際問題として運転手のミスで発生した損害をお客様に請求するわけにはいかないので、そこは臨機応変に上手くやるしかないです。
大抵は遠回りした分の損害だけ値引きすれば済みますが、本当にごく稀ながら「わざと遠回りした!」「そんな悪質な事してまで金を取りたいのか!」とカンカンに怒ってしまい、全額無料にせざるを得ないようなケースもあります。(今のところ2回)
給料とは別に、チップを頂けたり、あるいは自腹で損をしてしまったり、というのがこの業界の特殊な所です。
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| タクシー | 21:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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