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日野メルファ7の運転(ド素人のための運転解説)

メルファ7 ハイデッカー
「メルファ レンタカー 運転」等というキーワードで検索してくる人が大勢いるようなので、この記事を追加します。車両の詳細はページの一番下の【関連リンク】から見てください。ここでは運転装置の取り扱い、運転上の知識や注意を解説します。

2t車ベースのマイクロバスとは違い、4t車がベースとなっています。普段から4t車に乗ってる人なら問題ないでしょうが、私みたいに免許をとっていきなり4tのバスやトラックに乗ると、予想もしていない問題が起きることがあります。死角がどうしても見えないので進めないとか、ブザーが鳴ってどうすればいいのかわからないとかw
というワケで、私自身の戒めも含めて(?)、ド素人の為の運転と注意点をここに解説します。


◆運転台

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ここではトナカイレンタカーの1号車を例に解説しますが、スイッチの配置は個体ごとに異なります。


DSCN0049 (4)-2
①速度計
②エンジン回転計(タコメーター)
③水温計(エンジン始動後は必ず暖気運転をして、針が動いてから走行)
④燃料計
⑤バッテリー電圧計
⑥エアタンク圧力計(これが下に振り切ってると、フットブレーキが利きません)
⑦ウインカー、ライト
⑧ワイパー、ウォッシャー、ハザード、排気ブレーキ(普通車とは操作が異なります)
⑨バックモニターの表示切り替え
⑩ETC車載器


DSCN0049 (3)-2
①運転席用空調(但し冷房は全く効きません。全体用はまた別の所にあります)
②私物ナビ(自分のを持ち込んだ物なので、レンタカーには付いてきません)
③私物レーダー探知機(持込みにつき、レンタカーには付いてきません)
④バックモニター(前進走行時でも映すことが可能です)
⑤24Vシガーソケット(後述)



DSCN0049 (5)
①ドア開閉スイッチ
②ニーリング
↑(乗降しやすいよう車高を下げる装置ですが、走行時は必ず上げてください。
③運転席照明スイッチ
④ミラー電動角度調整(オプションで、トナカイレンタカーでは1号車のみ装備)
⑤フォグランプ
⑥エンジン暖気スイッチ(エンジン始動後の暖気運転で使います。走行するときは切ること。)
⑦ASRカット
⑧車間距離警報ボリューム
⑨日野ESスタート(坂道発進補助装置)
⑩ナビ



DSCN0049 (6)-2
①客室照明関係(シャンデリア、間接照明、読書灯など)
②冷蔵庫
③TVスイッチ
④?
⑤?
⑥ナビを操作するリモコン
⑦ステップ灯
⑧空調コントローラー(この車はセレガと同じフルオート)
⑨客室照明の調光(ツマミは3つあり、シャンデリア、柱灯、サロン照明を個別に強弱調整できます)



知識
バスは基本的にリアエンジンですが、メルファ7のハイデッカーと、その先代であるレインボー7Mのハイデッカーは、車体中央の床下にエンジンが配置されています。エンジンルームの開口部は右側面のホイールベース間にあります。後部にはリアエンジン車同様の開口部がありますが、開けてみるとバッテリー室になっています。センターエンジンはあくまで7mのハイデッカーのみで、同じメルファやレインボーでも、9m車や7mのノーマルデッカーはリアエンジンです。



DSCN0055 (2)
サスペンションシート
その名の通り、運転席シートに装備されたサスペンションの事です。赤矢印で指しているダイヤルの目盛りを自分の体重にセットします。
これは車体のゆれを運転席シートのサスペンションで吸収する装備です。オプション装備なので、大半の車にはありません。トナカイさんも1号車のみの装備で、2号車、3号車にはありません。元々はゆれが激しいトラックで、ドライバーの疲労を軽減するために開発されたものですが、元々の乗り心地がいいバスでは疑問に思います。というか、バスには必要ないと思います。現在でもセレガにはオプション設定されてますが、エアロエースは設定が抹消されました。



◆運転装置

メーター
水温計(エンジン温度)、圧力計(エアタンク)、電圧計(バッテリー)
走行する前に必ず目を通してください。どれか一つでもレッドゾーンを指していたら走行しないで下さい。特にエア圧力が不足した状態では、フットブレーキがきかないので危険です。(サイドブレーキを下ろすと警告ブザーが鳴ります。


DSCN0664.jpg
アイドルセットダイヤル(アイドリング調整ダイヤル)
エア圧力計や電圧計を回復させたいとき、このツマミを右に回すとアイドリング回転が上がります。走行するときは左一杯に回して通常回転に戻してください。


メルファ シフト
マニュアル車のギア操作
基本2速発進ですが、力を入れすぎると間違えてバックに入れる恐れがあるので、それだけは注意してください。初めて扱うなら出発前に少し練習したほうがいいかもしれません。
ロッド式ですが、トラックと同じパワーシフトが備わっており、完全な人力ではなくアシストしてくれる機構になってるので、そんなに力は必要なく、ダブルクラッチの必要もほとんどないです。1~3秒ほど軽く押し当てれば勝手に入ります。乗用車やバイクみたいに素早くは入りません、時間をかけてゆっくり入れるのがコツです。力まかせに素早く入れるのはシンクロを傷めるのでやめてください。


DSCN0832.jpg
オートマチック車のギア操作
コチラはOD付5速です。トラックに普及しているセミオートとは違い、乗用車と同じトルクコンバータ式で、操作も乗用車と同じです。そのため、クリープ現象(Dレンジに入れると勝手に進む現象)があります。
ATの乗用車と同じく、必然的にフットブレーキへの依存度が高くなりますが、バスは重量があるので、間違えても下り坂でフットブレーキの踏みっぱなしはやめてください。フットブレーキは減速するときだけ使用し、速度の維持はシフトダウンと排気ブレーキを使用してください。
レバー右脇のスイッチで、「エコモード」と「パワーモード」が切り替えられます。どちらも選択しない場合はエコモードとなりますが、高速道路はパワーモードを選択しておいたほうが、追い越しや登坂でキックダウンがしやすいです。
一般道ではエコモードにしておかないと、回転が上がり過ぎます。
で、よく見るとPレンジ(パーキング)がありませんね。という事は、駐車はNレンジ(ニュートラル)でサイドブレーキを引くだけですが、それだけでは危険なので必ず車輪止めをかけてください。
ATとしては問題なく動作するので街中ではラクなんですが、MT車と比べると高速性能が驚くほど低いです。時速90km/hを超えると加速余力は少なく、登坂では大型トレーラー並みに失速し、少しの坂でも100キロを割ります。
大型トラックや高速バス相手に競争しても負けるどころか、平坦路で追い越して前に入っておきながら坂で失速して結果的に妨害のような形になると、煽られます。トラックやバスを追い越す前に、その先が坂になっていないかはよく確認してください。
悲しいことに、これがオートマチックの宿命です。


走行しながらニュートラルは故障の原因!!
AT変速機は走行時のエンジン回転で得られる潤滑油が適切に供給される必要があるため、走行しながらエンジンをアイドリングにすると潤滑油が供給されなくなり、焼き付きを起こします。
牽引するときも注意が必要で、オートマ車を牽引するときは必ず後輪を持ち上げるか、プロペラシャフトを取り外す必要があります。


メルファ7 サイドブレーキ
サイドブレーキ
乗用車と同じワイヤー式ですが、このタイプはワイヤーが切れて暴走する事故が起きているので、坂道駐車をする時は必ず車輪止めを併用してください。マニュアル車ならギアを1速かバックに入れることで代用できますが、オートマ車はPレンジがないので車輪止めは必須です。
ちなみに中期ブレーキ規制により、2000年以降に製造された大型・中型バスはホイールパーク式へ切り替わりましたが、メルファ7は8トン未満のマイクロなので規制の対象外となり、先代レインボーから引き続きワイヤー式を採用しています。


日野ESスタート
坂道発進補助装置(MT車のみ)
日野の場合は「日野ESスタート」という名称がついてます。
平坦路or上り坂で停車すると「ピッ」という電子音が鳴って自動的にブレーキがかかり、フットブレーキを離してもブレーキを自動で保持してくれるシステムです。ギアを入れてクラッチを一定の所まで上げるとブレーキが解除されます。また、停車中にフットブレーキが緩んで車が動き出してしまうのを防ぐ安全装置という役割りもあります。
注意が必要な点として、下り坂では作動しません。また、上り坂でバックしてから止まった場合も作動しません。停車した瞬間に「ピッ」という音が鳴れば作動しています。ごくたまに色々な条件が重なって音が鳴らずに作動していない事があるので、注意してください。
①赤丸のスイッチを切れば、この装置は作動しません。②赤丸のスイッチを「早」or「遅」側に1秒間押すことで、解除タイミングを調整できます。この調整を誤るとクラッチやミッションが壊れます。マニュアル車に不慣れだと、半クラがきく位置までブレーキ保持に設定しがちですが、それも禁止です。設定方法がわからない場合は、スイッチを切っておいてください。
オートマ車にはこの装備はありません。


排気ブレーキ、ワイパー
排気ブレーキ、ワイパー、ハザード
排気ブレーキ、ワイパー、ハザードの各操作は赤矢印のレバーで行います。
箇条書きにします。

・レバーを手前に引く(普通車のワイパーONと同じ操作)
排気ブレーキが作動します。

・レバーを上(天井方向)にあげる(普通車のウォッシャー噴射と同じ操作)
ハザードのON OFFです。
(蛇足ですが、2トン以下のトラックとマイクロは、この操作が排気ブレーキのON、OFFになります。)

・レバー先端のツマミを回す
ワイパーのON OFFです。

・レバー先端のボタンを押す
フロントガラスにウォッシャーを噴射します。

メルファ7の場合ですが、排気ブレーキ作動中はブレーキランプが点灯します。これはマイクロ規格の総重量8トン未満でありながら、エンジンは中型と同じ排気量が高いものを使用しているので、排気ブレーキが強く利くためにブレーキランプ連動になっているんだと思います。排気ブレーキは後輪だけで制動するので、凍結路での使用は注意してください。

殆どの車種は排気ブレーキ作動でブレーキランプが点灯する事はありあせんが、一部車種では点灯します。排気ブレーキを使うときは、その事にも留意してください。


◆運転上の注意

・空調や照明のスイッチがONになったまま、エンジンキーを回さない。(メインスイッチを押さない)
エンジンをとめるときは、先に照明や空調などの車載機器のスイッチを切ってください。始動するときは、先にエンジンをかけて(バッテリースイッチを入れて)から空調や照明などの個別スイッチを入れてください。バスは車載機器が多いので、これらの個別スイッチがONになったままキーやメインスイッチでまとめてつけたり消したりすると、バッテリーに過大な負担がかかり、寿命を縮めます。

・車内で休憩や車中泊をするとき
車載機器が多いため、条件が重なるとアイドリングしていてもバッテリーが上がることがあります。取扱説明書には冷房を入れたまま長時間停車するとバッテリーがあがる旨が書かれています。
現在のクルマは燃焼効率を良くするために燃料噴射をコンピューターで制御しているので、バッテリーが上がったらエンジンもとまります。長時間の休憩や車中泊をするときは、なるべく省電力にして、特に夏でどうしても冷房を使うときは、冷房以外の機器は(照明も含めて)すべてOFFにしてください。それでも大丈夫とは言い切れないので、私は車中泊は4時間程度にしています。

・暖気運転
長時間エンジンを停止したあとは、エンジン始動後に必ず暖気運転を行い、水温計の針が上がってから走行してください。少し上がればOKで、完全に上がるのを待つ必要はありません。針が下に振り切ったまま(冷えたまま)、回転を上げるとエンジンを痛めます。
暖気運転は、乗用車みたいにただアイドリングしているだけでは中々暖まらないので、エンジン暖気スイッチを押します。走行時は解除を忘れずに。(スイッチの場所は冒頭の運転台写真を参照)

・ハイデッカーについて
ハイデッカー車の場合、運転席よりも客席が高い位置にあるため、左後方の視界が大幅に制限されます。左側への合流や、横断歩道を左折で横切るシチュエーションで危険が伴います。
大型車、死角
図の赤丸の部分が死角になります。ここは直接目視でもミラーでも見えない完全な死角です。補助ミラーがあれば見えますが、レンタカーにはついてない事のほうが多いです。
単純な左折であれば交差点手前であらかじめ安全確認したり、最悪の場合は左ミラーを凝視しながらスローで進めば良いですが、パーキングエリア等の駐車場で、沢山のクルマが縦横無尽に動き回っている状況では困ります。左側の優先道路へ斜めに合流するときも困ります。そういう時はシートベルトを外して立ち上がり、客席の窓から目視確認するしかありません。要領がわかってくれば、そんな事しなくても済むようになってきますが、いずれにしてもハイデッカー車の運転に当たってはこの死角に注意です。

DSCN0663.jpg
いくら運転して慣れようとしても死角はどうにもならないので、私は写真のような補助ミラーを毎回、取り付けてます。ステー部分は傷にならないようにゴムパッキンを巻いてます。


高さ制限
高さ制限
メルファ7ハイデッカーの高さは、リアスポイラー付だと3415mmです。運転席のステッカーには3.42メートルか、3.5メートルと書かれている事が多いです。トンネルや高架橋の下を通過するときは、標識に注意してください。
道路脇の木の太い枝が頭上まで伸びている事があるので、それも要注意です。あと左端に寄せるとき、地面が傾いてると車体も傾くので、それで車体上部を電柱や建造物にぶつけるケースがあります。端に寄せるときは側面の下だけでなく上にも要注意です。



◆警報ブザーが鳴った!

・ニーリング(車高ダウン)中にサイドブレーキを解除した。また、サイドブレーキを引かずにニーリングした。

・走行中に誤ってニーリングした。

・サイドブレーキを引かずに席を立った。

・サイドブレーキを引かずにエンジン停止した。
(エンストした場合も同様なので、サイドブレーキを引くかエンジン始動すると、ブザーは止まります)

・エンジン始動せずにサイドブレーキを下ろした。

・エアタンクの空気圧が不足して、圧力計がレッドゾーンを指している。
(フットブレーキを使いすぎるとこうなります。停車してエンジン回転を上げながら、エア圧力計が回復するまで待ってください。)


※ニーリングというのは、乗り降りしやすいようにエアサスの空気を抜いて車体を下げる機構です。もちろん空気を抜いた状態ではサスペンションが機能しないため、そのまま走行すると足回りを破損する恐れがあります。
ニーリングスイッチ
ニーリングスイッチはコレ(赤矢印)ですが、個体によって場所が違うので、あらかじめ探しておいてください。



◆ドアの開閉

メルファ7 ハイデッカー
このバスのドアはスイング式と言って、外側に飛び出して開く構造になっています。
という事は、開けるときは左側の安全確認は必須です。エアで動作しますが、非常に強力な力で開閉するので、他車にぶつけたらスグに傷がつきます。あるいは開閉機構そのものも壊れる事もあります。

それから、歩道の段差が高くなってる所で開けて、ドア下端部分をぶつけるドライバーが多いらしいです。
また、ドアを開けたままニーリング(車高ダウン)して、ぶつけてしまう事も考えられます。十分に注意しましょう。
歩道に寄せて停車したとき、歩道の段差が高くて接触する恐れがあるときは、面倒でも手動で(非常コックで)開けてください。



◆燃費と性能

燃費については、私の今までの記録から、6速MT車が4.3~5.7km/L、5速AT車が3.8~5.0km/Lで、運転や走行条件によってかなり差が出ます。カタログ数値は、メルファ7の情報は調べられませんでしたが、9メートルのメルファ(SDG-RR7J系)では6MTが6.0km/L、5ATが5.6km/Lと記載されています。やはりMTのほうが燃費は良いです。
燃費を意識して走る場合、ATは経済速度が低く、かつ非力なため、かなり低速(60~70km/hくらい)で走らないと良い燃費は出ないです。
燃料タンクは160Lと200Lが設定されていたようですが、観光仕様は200Lが多いです。トナカイ車も200Lだそうですが、燃料計がギリギリの状態から給油しても130Lくらいしか入りません。私の運転では航続距離500~700kmくらいです。


◆その他

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24V→12V変換機器
バスのシガーソケット電源は24Vなので、普通車の12Vとは異なります。12V電源用のナビやドラレコを使用するには、写真のような24Vを12Vに変換する機器を自分で用意してください。オートバックスで4000円くらいで買えます。ちなみに、私がオートバックスでこれを探そうと店員に尋ねたら、数万円もする「変圧機器」を紹介されました。そういうモノではありません。


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